黙々と仕事をこなす頼りになるやつ

木工作業で一番利用する工具は何でしょうか?ノコギリ?ドライバー?いえいえ、実はクランプです。そして、木工を趣味とする方々は、例外なく大量のクランプをもっています。人の手は二本しかありませんので、何か作業する時にはクランプ無しでは作業もままなりません。ちょっとモノを押さえたり、挟んだり、圧力を加えたり。しかも、何時間でも何日でも黙って押さえてくれます。
今回はそんなクランプについて。

Cクランプ

見た目からCクランプと呼ばれるようです。よく似た形でBクランプというものもありますが基本構造は同じです。

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ハンドルを回すことで、ネジ部を回転し、口の間隔を狭めることで挟んだ材料を固定します。ハンドルはてこの原理で強く締め付けることが出来るので、柔らかい材料を挟むときには注意が必要。当て木などをしておいた方が良いですね。
口の開きが固定で、比較的挟める厚さが小さいです。コンパクトで邪魔になりにくいのが特徴。
100均でも入手できますが、口の作りや精度はそれなりなので、それを踏まえて使いましょう。

Fクランプ

F型クランプ、L型クランプと呼ばれるクランプです。小さいモノで開口が100mmのものから大きいモノだと1m以上のものまで様々な長さのクランプがあります。

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ハンドルを回すことでネジ部を回転し、口の間隔を狭める仕組みはCクランプと同様ですが、ハンドルが付いているくわえ部分がバーの上を加工することで、小さいモノから大きいモノまで、汎用的に使えますので、最初に購入するクランプとしてオススメ。
小さいモノなら100均でも入手可能なので、見かけたら大人買いしましょう。沢山あった方が何かと便利です。
作成する作品によっては、長いクランプも必要となってきます。

バネクランプ

スプリングクランプとも言います。洗濯ばさみの強力版ですね(洗濯ばさみも用途によっては、ある意味クランプ)。開口は大きくありませんが、手軽に挟めて便利。

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バネの力で挟み込むので、ネジ式ほどの力はありませんが、それでも強力。薄板の貼り合わせなどに利用出来ます。バネクランプの良いところは、Cクランプ、Fクランプのように締め付け時に回転の力が加わらないところ。接着剤の圧着時にもズレが発生しにくいです。
1つでは力不足な場合でも、二つ、三つと追加していけば十分な固定が出来ますので、こちらも出来るだけ沢山あると良いですね。
100均でも入手できます。

ハタガネ

日本古来の締め付け工具です。さまざまなサイズがあります。

Fクランプに似ていますが締め付け部(ネジのある部分)が固定で、反対側のくわえ部分がスライドして小さいモノから大きなものまで挟むことが出来ます。大ざっぱに挟んでおいてから、締め付け部で圧力を掛けるという使い方ですね。特徴としては、ネジの回転が締め付け部に伝わらない作りとなっていて、まっすぐ力が加わります。この為、接着剤の圧着時に対象がずれるという心配がありません。
懐(くわえ部分の奥行き)が狭いのが難点。

パイプクランプ

木工でいうところのパイプクランプとは水道管などのパイプに後付けで取り付けて使うクランプを言います。大きな(長い)モノを挟む際には威力を発揮します。

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板矧ぎ(板を並べて木端を接着し、幅広な板を作ること)や、引き出しなどの箱ものを圧着する場合、どうしても長いものを挟む必要が出てきます。そんな時に利用されるのがパイプクランプです。
バーの部分は市販の水道管を利用しますので、水道管の長さを変えることで、どんな長尺なものであっても挟み込むこと出来ます。従来のパイプクランプはネジを切ったパイプに締め付け部を取り付けることで、ハタガネと似た構造をしていましたが(締め付け部と反対側のくわえ部分が可動する)、上の写真のクランプはどちらも稼働するみたいですね(ねじ切り不要)。
このクランプに手を出す人は、すでに木工の中~上級者ですね。

ベルトクランプ

他のクランプがまっすぐな方向に圧力を掛けるのに対し、ベルトクランプは接点の4カ所から中心に向かって圧力を掛けます。

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留め継ぎした額縁や箱ものなどの圧着、固定に利用されます。

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コーナークランプ

90度に接合する材料を固定するクランプです。

【木材の接続や固定に最適!DIYの味方コーナークランプ】主に額縁・パネル・ケースなどの製作・補修に使えるDIY工具「コーナークランプ」。正確に素早く直角確認ができる上、材料を直角に接合する際の固定作業を補助できる便利なDIY用品、工具です。二つの木材を直行する方向に挟んで固定や接着、また木材を45度に切断ができます。木材を直角に配置したままビスやボンドで固定したい時、1人でのDIYだと固定が難しい場面でも、 コーナークランプがあればガッチリと固定されるため、正確にビス打ちができます。

90度に固定は出来ますが、留め継ぎの接触面に対して圧力を掛けることは出来ませんので、圧着用途には向いていません。
ビスなどの固定の際に90度を保持する、棚板の組み立てで補助的に使うなどが利用用途となります。

クランプの利用バリエーション

材料加工時の固定

材料を加工する際、特に電動工具を使った加工をする場合は、加工場所に意識を集中したいところ。固定できるところは固定しておくと後は工具を操作することに集中できます。下の例では板材を作業台に固定し、直線切り治具がずれないように材料に固定した例です。
材料や治具を固定する場合は、最低2カ所はクランプを掛けて固定します。1カ所だと、回転してしまう可能性があります。

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留め切りを行い、斜めに穴あけ加工する際も、補助の端材を材料に固定することで、留め切り面に対して垂直な穴をあけることが出来ます。

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材料組み立て時の固定

直角に板を接合するなどの場合に、直角の角材などを板に当てておくと、安定した組み立てが出来ます。

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棚などの組み立てで、棚板を固定する際に、端材などを仮に固定しておき、その上に棚板を載せると空中での作業が出来ます。
また、下のような構造だと、側板をロングクランプで押さえることで、仮組みなどが出来るようになります。

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組み立て前にしっかりシミュレーション!

紙の図面や頭の中だけでの設計だと、なかなか組み立て手順を把握するのも難しいですね。
このアプリを使ってしっかりと設計すればどこでクランプを使った組み立てが必要になるかもシミュレーションできます!

クランプはとにかく沢山必要【まとめ】

今回はクランプについて紹介しました。クランプ無しでは精度の高い加工、組み立ては不可能です。
最初はFクランプから集め始めると良いと思います。作る作品に合わせて、いろんなクランプを増やしていきましょう。
クランプの数を見れば、その人の木工レベルががわかる!かも…。

カテゴリー: DIY講座

尾見@caDIY3D開発

尾見@caDIY3D開発

DIYが趣味で「誰にでも簡単に扱えるCADがあっても良いんじゃないか?」ということでcaDIY3Dを開発しました。 DIY歴は14年?くらいです。2017年:DIYアドバイザー取得。

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