DIYで家具を作りたい!でも、大きな材料は高い…。
DIYで家具を作る場合に、幅の広い板を使って設計したいことはよくある話です。例えば、机やテーブルなどの作品を作る場合、甲板(天板)には広い板が必要ですね。棚を作る場合も、ある程度奥行きがある場合は、広い板が必要です。こういう場合は、パイン集成材などを利用すれば良いのですが、厚みもあって、幅の広い板は集成材であってもとても高価。合板であればリーズナブルだが、雰囲気がイマイチ。そんな時には板を並べて、広い面を作る方法を検討してみるのも手です。このような板の幅方向の接合方法の総称を「板矧ぎ(いたはぎ)」と呼びます。
目次 [閉じる]
すのこのように並べて面を作る
すのこのように角材の上に板を並べて、板材を角材に対してビス留めを行い、広い面を作成します。ある程度ワイルドな仕上がりでも良ければ、この方法が簡単ですね。ビス頭が気になるようなら座堀してから、ダボ埋めすれば、見た目も良くなります。
SPF材を使う場合、角が面取りされているので、単純に並べると表面に溝が出来る形になります。用途的にそれでもOKならそのまま使用しても良いです。平らな方が良いという場合は、側面を削って面取り部分を取るか、面取りされていない別の木材を利用すると良いでしょう。
面取りされたSPF材を突き合わせると、溝が出来てしまう。
側面を削って面取り部分を取る。っと言っても直角が出ていないといけないので、道具(手押しカンナなど)が無いと難しいです。
突付け矧ぎで面を作る
突き付け矧ぎとは、接合面を突き合わせて、接着剤で接合することを言います。いも突き合わせ、いも矧ぎとも呼ばれます。接合面にまんべんなく接着剤を塗ったら、長いクランプや「はたがね」で圧着を行います。接ぎ合わせる板が厚ければ、十分な強度で接ぎ合わせることも可能ですが、接着剤だけなので、若干強度に劣ります。
板矧ぎ用途で、木工DIYerでメジャーなのが、パイプクランプというクランプです。軸の部分にガス管の#3/4という呼び径のものを利用します。ガス管は任意の長さのものが使えるので、好きな長さのクランプを作ることが出来ます。(意外とガス管の入手が難しいですが)
どの板矧ぎ方法を使っても、長めのクランプは圧着に必須です。また、最低3本程度は準備が必要です。
ダボ矧ぎで面を作る
接ぎ合わせる面にダボを打ち込んで接ぎ合わせます。突き付け矧ぎより、上下の力に強い接ぎ合わせとなります。同じ位置に垂直に穴をあける必要がありますが、特別な工具が無くても実現できるのは魅力。
雇い実矧ぎで面を作る
突き合わせる板同士の突き合わせ面に溝を掘り、そこに雇い実(やといざね)と呼ばれる実(さね:薄い板)を差し込む形で接ぎ合わせます。接着面も広がり、強固に接続させることが出来ます。
溝の精度が良くないと、板同士が平らに接合できません。(継ぎ目に段差がある状態を「目違い」と呼び、この段差を取り除く作業を「目違いをはらう」と言います)
実を入れる溝を掘るには、トリマーという道具をつかいます。トリマーに「横溝ビット」とか「スロットカッター」という名称のビットを取り付けて溝を掘ります。
ビスケット接合で面を作る
上記の雇い実の代わりに、ビスケットというブナの圧縮チップを利用する方法です。専用の工具(ビスケットジョイナー)が必要ですが、一つの穴加工に10秒も掛からないので、非常に効率良く加工が出来ます。
ポケットホールで面を作る
ポケットホール治具と呼ばれる工具を使って、斜めにビス穴を掘って板を接合する方法です。治具さえ準備できれば、ポケットホールはいろいろな接合方法に応用できるので非常に便利です。
下の図のように斜めに穴を掘り、この穴の中にビスを打ち込みます。
ビスはこのように斜めに打ち込まれます。
接着剤と、ポケットホールによるビス留めで板を矧ぎます。ビスが部材同士を締め付けますので、圧着用のクランプが必要ないです。
デメリットは、ポケットホール自体は大きく目立つこと。もちろん使用する面の反対側に穴をあけて、ビスを打つのですが、裏面は穴だらけということもあります。見えない場所でなら利用価値大です。
合板を化粧して面を作る
合板は平面性も高く、安くて広い面を確保するには便利な材料です。シナ合板などは表面が非常にキレイで、家具の素材としての利用価値は高いのですが、断面があまりキレイでは無いというところがデメリット。この断面を上手く隠すことで、合板を甲板(天板)などに利用することも出来ます。
1×2材などで枠を作って、枠をシナ合板にビス留めするだけでも、見栄えがグッと良くなります。
DIYプロジェクトでは、針葉樹合板に薄いシナベニヤを貼って、デスクの天板を作成しました。木口はあえて合板の積層感を見せるデザインにしています。
合板の木口を隠すための木口(突板)テープというものもあります。こちらは、貼るだけで合板の木口を隠せます。
突板(つきいた)とは、木材を薄くスライスした板材で、合板などの化粧に使われます。
木口テープにはプラスチックのテープに木目調の印刷をしたものと、本物の木を使った木口テープがあります。
本物の木を使ったテープはなかなか入手が難しいのですが、拘るのであれば、こちらを利用したいところ。
扉の干渉も3Dなら確認しやすい!
紙の図面や頭の中だけでの設計だと、なかなか扉の干渉を把握するのは難しい…。
そんな時におすすめしたいシミュレーションにうってつけのアプリ『caDIY3D-X(キャディースリーディークロス)』はご存じでしょうか?
caDIY3D-X(キャディースリーディークロス)は、誰でもカンタンに設計図が描けるDIY・リノベ専用のWindowsアプリです。
3Dの木材や資材を、まるで積み木のようにマウスで直感的に組み上げて、オリジナルの家具デザインやレイアウト・シミュレーションを楽しめます。実際のDIY制作にはかかせない、木材の切り分け方や細かなサイズ・寸法チェック、予算の計算なども徹底ガイド。「手描きの設計図なんて無理!」とあきらめていたあなたのDIYライフを変える、まさにDIY・リノベ好きのためのお役立ちツールです。
安さもDIYの魅力
いろいろな方法で木材で面を作る方法を紹介しました。DIYの魅力は、好きなデザイン、大きさで自分好みの作品を作り上げることが理由の一つですが、やはり安く仕上げたいというのも理由に挙げられると思います。
如何に安く(かわりに手間暇掛けて)作るかもテクニックの一つです。今回紹介した方法などを駆使して、沢山の作品を作ってみましょう!
0件のコメント