実物大の設計図?

「水盛り」・「遣り方(やりかた)」というのは、これから作成する建物や、構造物の正確な位置を出す作業のことです。 前回、基礎の基本について紹介しましたが、基礎を作り始める前の作業になります。いわば、実物大の設計図を地面に印す作業ですね。 設計通りに作業を進めるための大事な作業になってきます。小さなものであれば省略しても良いのですが、大きなモノ(フェンスや小屋など)を作る際には必ず必要になってきます。


まずは大ざっぱに地面に目印

作業例として、3畳程度の広さの長方形を正確に遣り方する方法をシミュレーションします。
まずは大ざっぱで良いので、地面に目印をつけましょう。コンベックスなどで測って、ブロックやレンガ、大きな石などでも良いので、大体の大きさが把握できるような位置に目印となるものを置きます。


目印の外側に杭を打つ

次に目印の外側に杭を打ちます。最終的に予定地には基礎を作らないといけないので、30~50cm外側に杭を打ちます。
長方形の構造物を作る場合は、一つの隅に対して、L字型に3本の杭を設置します。この杭は基準となる杭になるので基礎を作っている途中などで抜けたり、ぐらつくと全く意味が無いので、しっかりと打ち込みましょう。


水盛りで水平を出す

レーザー水準器などがあれば良いのですが、日曜大工で一品モノを作る際にわざわざ高価な工具を入手することは難しいですね(ホームセンターで貸し出しているところもありますが)。昔ながらのバケツとチューブによる水平の出し方を紹介します。
やり方は簡単。バケツに水を入れて、その中にチューブの端を浸します。チューブの反対側から空気を抜いて(口にくわえて吸ってあげれば良いです)チューブ内に水を通します。この時、チューブの中の水は、重力の関係(サイフォンの原理)からバケツの中の水の表面と同じ高さを維持します。後は、バケツからチューブが落ちないように、チューブの端から水がこぼれないように気を付けながら、各杭の場所まで持って行き、チューブ内の水の位置と同じ高さに印をつけます。
全ての杭の印はバケツの水面と同じ高さにあることになりますね。



さて、印は水平が取れているとして、地面との距離はどうでしょう?バケツの水面の高さを厳密に測っておくという手もありますが、各杭の印から相対的に測っても問題ありません。例えば、地面から300mmの位置が知りたければ、水盛りでつけた印の距離を測り、その距離から300mm引いた位置に再び印をつければ良いですね。

「水貫」板を取り付ける

地面から一定の距離、かつ、水平な位置に印をつけることが出来たら、次は水貫と呼ばれる板を取り付けていきます。
下の図のように取り付けていきます。杭が倒れないように筋交い貫と呼ばれる板も取り付けると良いです。


水糸を張る

最後は水糸を張って、正確な大きさを出していきます。
水糸とは水平線を示す糸のこと(高さを表す時に水という文字が使われるようです)で、ポリエステル製の丈夫な糸が使用されることが多いです。


JBSO (ジェビソー) スーパーポリ水糸 100m G-24004

水糸を張るのにも手順がありますので見ていきましょう。

1.まずは一本まっすぐな糸を張る

まずは一本、まっすぐな糸を張ります。
この糸が基準となりますので、例えば、周囲の建物などと平行(レイアウトによっては、必ずしも平行で無くても良いですが)に張っていきます。


2.続いて直角にもう一本の水糸を張る



直角に張ると言っても、どうやって直角を測れば良いでしょうか?簡単な方法があります。



三平方の定理から、上のような三角形で直角を求めることが出来ますよね。この三角形を作ってあげます。
まず、水糸を使って、6mの輪っかを作ります。
最初に引いた水糸の真下に2mの位置で杭を打ち、輪っかを引っかけたら、輪っかがたるまないように引っ張り、後の2辺が1.5mと2.5mになる場所を探します。つまり、下の図のような感じで三角形を地面に作ります。この三角形に沿って直角な水糸を張っていきます。



「水糸の真下」と言っても地面から離れているので、正確に位置を出すのは難しいですよね。
そんな時には「下げ振り」という道具を使います。一つ持っておくと便利ですね。無い場合は石などを水糸でくくって代用することも出来ます(精度はイマイチですが)。

シンワ ハンディ下げ振り Jr. 自動巻 スイピタ200g付 赤 77502

3.残りの二本の水糸を張る

必要なサイズを二本の水糸の交点から測って、残り2本の水糸を張ります。



これで、水平で正確な位置、大きさを出すことが出来ましたね。


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遣り方が上手く出来れば気分も盛り上がります【まとめ】

ちょっと手順が多い気もしますが、理屈がわかれば難しい作業ではありません。出来るだけ画像多めで紹介してみましたが如何でしたでしょうか?
遣り方が上手く出来ると、プロの現場っぽくなって、「いよいよ作るぞ!」という気分が盛り上げってくること間違いなし。
今回紹介した方法は小屋を作ったり、フェンスを作ったりする場合の少々大がかりな方法ですが、小さいモノでも水糸を張って基準を出しておくことをオススメします。ブロックを並べてたりする場合でも水糸を張って作業するとキレイに並べることが出来ますよ。

オフィシャルFacebookで有益なコメントを頂きましたので紹介!

直角を計るのに覚えておく対比。三角形のそれぞれの辺の長さが、3:4:5。
遣り方板で作ると良いですよ。板の一辺に記しを付けて、内側どうしで合わせて釘で打ち付けます。
基準は内側の三角形です。作った板は地面に置いて。
BOXレベルで水平を計って使います。

確実に直角を計るために、4ヶ所全て見た方が良いですよ。

水糸は、ナイロンだと熱で引き切れるので、違う素材が良いかと。
風に負けないように、十分引っ張ります。

ちなみに水盛りのチューブの長さを一定にする為にチューブにも予め印をつけた方がイイです。
各杭にて水平をとるときに、チューブにつけた印に水面に合わせないと、チューブが短くなったり長くなったりして、チューブ内部の水の量が変わりバケツの水面の高さが変わってしまい水平が狂います。

チューブが太ければ太い程、中の水量が多くなりますので、誤差が出やすくなります。

そーでしたね。
自分も、毎回読んでて。何か足りないなぁと思っていました。
頭の中で職人さんがやっていた動きを思い出していたのだけど。記憶と合致しました。ありがとうございます

一本目の杭の記を付けた時に、杭に水面の記しをすると同時に水管にも記しをします。表面張力の上面が良いでしょう。

次の杭に記しを付ける時には、杭の側面で上げ下げをして水管の記しと合うように動かします。
水面は急に合わないので。

記し近くになったら、蟻が這うくらいのスピードで調整しましょう。水管の記しと水面が合うと、一番目と同じ高さです。

これを杭の数だけ、繰り返します。

レーザーで一軒家の外周をレベルだしすると必ずズレます。
水盛缶の方が正確です。持ち手側の水位はそんなに心配するほどでも無いと思いますが
注意事項はホースの中の気泡とホースのネジレです。あと缶とホースの繋ぎ目の水漏れですね
缶は揺れないところにフタなどすると尚いいですね。移動中こぼさないことホースを踏まないことそんな感じですね

水盛りによる水平だしは原始的な感じがしますが、ちゃんと精度が出るんですね!

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カテゴリー: DIY講座

尾見@caDIY3D開発

尾見@caDIY3D開発

DIYが趣味で「誰にでも簡単に扱えるCADがあっても良いんじゃないか?」ということでcaDIY3Dを開発しました。 DIY歴は14年?くらいです。2017年:DIYアドバイザー取得。

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