ホームセンターではどんな材料(木材)があるのか?
前回のDIYの材料について【前編】では、木材各部の名称や、樹種について解説しました。
材料を入手する場所といえば、一般的にはホームセンターですね。
他にはDIYショップ、材木店、インターネット通販などもありますが、ホームセンターなら日本全国どこにでもあります。
実物を手にとって、じっくり吟味できるホームセンターはDIYerには強い味方。
これからはじめるDIYerも、ベテランの方にとってもホームセンターは安心確実な購入先です!
今回は、ホームセンターにはどんな材料が置いてあるの?っという内容です。
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DIYの材料について【前編】はこちら
ホームセンターで購入できる【木材】とは
SPF 2×4材
DIYではおなじみの2×4材。北米産の建築用木材で、針葉樹のスプルース(トウヒ属)、パイン(マツ属)、ファー(モミ属)の混在した材の分類です。SPFとはそれぞれの頭文字ですね(これが即答できればかなりのDIYer)。
2×4工法の構造材としてJASにより格付けされて、寸法、品質ともに安定した状態で供給されています。とはいえ、店舗によっては反り、ねじれなど大きいものもありますので、よく吟味して購入したいところ。
節やヤニつぼ(松ヤニなどが溜まっている部分)なども選ぶ際には注意しましょう!
– 特徴 –
- 柔らかく、加工性は良好。
- 屋外、湿気の多いところでは塗装が必要。
- 1×4材、2×4材なら、どこでも入手可能。その他のサイズはホームセンターの規模次第。
– 2×4材の主なサイズ –
材料 | サイズ | |
---|---|---|
1 x 4材 6feet | 19 x 89 x 1820mm | どこでも入手可能 |
1 x 6材 6feet | 19 x 140 x 1820mm | |
1 x 8材 6feet | 19 x 184 x 1820mm | |
1 x 10材 6feet | 19 x 235 x 1820mm | |
2 x 4材 6feet | 38 x 89 x 1820mm | どこでも入手可能 |
2 x 6材 6feet | 38 x 140 x 1820mm | |
2 x 8材 6feet | 38 x 184 x 1820mm | |
2 x 10材 6feet | 38 x 235 x 1820mm |
WRC(ウェスタンレッドシダー)2×4材
WRC(ウェスタンレッドシダー)はヒノキ科の針葉樹で、針葉樹の中でも軽量でまっすぐな木目を持ち、屋外の使用でも虫や腐朽に強いです。
2×4規格のほか、ウッドデッキ専門店などでも安価な部類のデッキ材として販売されています。
防腐加工2×4材
輸入されたSPF材に国内の工場で防腐薬剤を加圧注入処理した木材。
シロアリや腐朽に優れた効果がありますが、人体への悪影響がありますので、基礎や土台などといった、人の触れない場所での利用が良いでしょう。永遠に腐朽しないかというとそういう訳では無いので、屋外で利用するなら定期的な塗装がオススメ。大抵のホームセンターで入手できます。切断時の粉じんを吸い込まないように気を付けましょう。
2×4材は、サイズが決まっており、設計に利用しやすいのが特徴です。2×4材に特化した金具(シンプソン金具)やグッズ(2×4定規、ディアウォールなど)も多いので、DIYの素材としてはもってこいです。
最近は国産のヒノキ、スギなどの2×4材がおいてあるホームセンターもあります。樹種の特徴を活かした作品作りを考えている方は、お近くのホームセンターをチェックしてみましょう!
柱材
柱材にはスギ、米ツガやヒノキといったものが多いです。米ツガとはパインと並んで輸入量の多い針葉樹。やや軽軟で加工は容易だが、やや脆く、耐久性は低いとされていますが、安価な建築用の構造材として普及しているようです。
柱材は75mm角、90mm角、105mm角、120mm角などが一般的で長さは2m、3m、4mのものがあります。
柱材には角材だけではなく、間柱のように長辺と短辺のサイズが異なる(30 x 105mmなど)ものもありますので、ホームセンターでサイズを確認してみましょう。
スギ野地板、胴縁板
野地板とは屋根材の下地に使われる材料のこと。野地板は束売りされており、安価な材料ではありますが、下地なので、プレーナー仕上げなどはありません。表面はガサガサです。また、乾燥材で無いことも多く、加工後に反りや縮みが発生することもあります。安く大量に入手できますが、用途はよくよく考えないといけませんね。サイズは 12 x 180 x 1820mmといったものが多いです。
胴縁板とは壁の下地に使われる材料のことです。サイズは15 x 45 x 3650mm や 18 x 45 x 3650mmなどが多いようです。こちらも束で売っています。サイズや値段も手頃ですが、DIYで使うなら野地板と同様、表面処理が必要です。
ホームセンターで購入できる【集成材】とは
パイン集成材
パイン集成材とは、その名の通りパイン(マツ)の小片を接着剤で貼り合わせた板材です。パインは成長の仕方で等級も多岐にわたるが、集成材の製品は性質が均一化され使いやすくなっています。切断もしやすく、釘やビスもよく効きます。表面はキレイに処理され、カンナ掛けなどは不要の場合がほとんどです。比較的幅の広い面を確保しやすく、DIYの資材としては扱いやすいです。貼り合わせの種類によって見た目が異なってきます。特にフィンガージョイントと呼ばれる貼り合わせ方は、ノコギリの刃のような接合により接着面積を広げて接着強度を上げています。
タモ集成材
パイン集成材と比較すると高級な部類に入るタモ集成材。木はやや重硬で狂いも少なく加工しやすいです。靭性・弾力性に富んでいます。年輪がはっきりしていて木目は直通で、色もパイン集成材より落ち着いた雰囲気です。木工の材料としてはきわめて優良ですが、高価な部類に入るので、机の天板など、ここぞというところでワンポイントで使うのが良いでしょうね。
ファルカタ集成材
南洋キリとも呼ばれる、見た目がキリやバルサに似た材質。軽く、非常に加工しやすいので工作や簡単な家具作りに使いやすいです。強度はあまりありません。キリの代用として、机の引き出しなどの造作に使うと良いかもしれませんね。
ホームセンターで購入できる【合板】とは
ラワン合板
南洋材のラワンを貼り合せた普通合板。普通合板とは木材を薄くむいた単板(ベニヤ)を木目が直交するように重ねて貼り合せ、表面に塗装などせず、貼り合せた木地のまま一般用途に使う合板です。合板はどれも主に下地として使われることが多いので、中には節穴をパテで埋めたようなものもあります。厚さは2.5~18mm程度が入手しやすく、薄いものなら引き出しの底板などに利用すると良いですね。強度は高く加工がしやすい。くぎを打つ際に割れやすいので下穴をあけるようにしましょう。
シナ合板
シナノキ(榀の木)を薄く切った単板を表面に貼った木質ボードのことで、シナベニアとも呼ばれるものです。白っぽく美しい。強度もあり加工しやすいのがよい点です。コスト(費用)が無垢材と比較すると安いですが、合板の中では高価な部類。天井、壁、建具、造作家具などでよく使われます。表面はシナノキの単板ですので非常にキレイですが、断面は合板そのもの。断面を見せないように上手く使うか、木口テープなどで化粧をすると良いですね。
針葉樹合板
針葉樹合板とは材種を表していて、針葉樹を用いて作られた合板のことをいいます。 アカマツやカラマツ、ヒノキ等が多く使われています。構造用の合板で、あまりキレイな表面ではありませんが、ラワン合板と比べると木の質感はあります。
木材を桂剥きのようにして作った板を積層するために節などがパターンとして現れます。細長く切って使えば板材の代用品になるかも。DIYの資材としては面白いです。厚さは9mm~24mmが一般的で、12mm厚のものが入手性が良いです。
OSB合板
木材を薄い削片状にしてから乾燥させ、熱硬化性接着剤とともに積層し、高温のプレス処理を経て強固な板材にしたものです。見た目はそのまま小さな木片が固まった板で、元々は構造用として利用される合板でしたが、そのワイルドな見た目からDIYでも利用されています。堅く、重たく、非常に丈夫です。接着剤で固めた板なので、塗料はのりにくく、無塗装で素材そのものの風合いのまま使うのが良いでしょう。
MDF
一度粉砕した木片を接着剤で固めたもので、方向がなく強度が一定です。断熱性・遮音性が高い性質があります。繊維が細かく表面がなめらかなので家具に向いています。加工がしやすく、変形も少ないのがよい点です。ネジやくぎはききにくく、水に弱いので注意してください。非常に平面性が高く、DIYの治具(加工の補助をする道具)を作成するのに最適です。
買った材料を無駄にしないために
DIYでは主に加工がしやすく、安価で、入手がしやすい材料を使う事が多いです。SPF材はほとんどのホームセンターに売っているのでよく使われます。
安価だからと言って「買うべき材料を間違える」や「カットミス」などは避けたいですよね。
そんな時におすすめしたいシミュレーションにうってつけのアプリ『caDIY3D-X(キャディースリーディークロス)』はご存じでしょうか?
caDIY3D-X(キャディースリーディークロス)は、誰でもカンタンに設計図が描けるDIY・リノベ専用のWindowsアプリです。
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caDIY3D-XにはDIYでよく使われる「SPF材」や「合板」などの材料が登録済み。インストールしてすぐに設計できるからとっても便利!
ホームセンターは素材の宝庫!【まとめ】
今回は紹介した木材、集成材、合板はほんの一部ですが、DIYによく使う材料を一通り紹介しました。
最初のうちは、2×4材を使った作品作りがオススメです。サイズが決まっているし、入手性が良いので設計に使いやすいです。
設計図が出来て、さあ作ろう ⇒ 買い出しに出かけたら近くのホームセンターに欲しいサイズの木材が無かった…。なんてことが無いと思います。
2~3回作品を作ってみたら、ホームセンターで売られている材料を調査して、設計に反映していけば良いですね!
2件のコメント
にり · 2017年9月25日 2:07 AM
初めまして。一部参考にさせて頂きました。
表示に誤りを見つけたので、以下の内容の通り、お知らせ致します。
「– 2×4材の主なサイズ –」の「2 x 4材 6feet」のサイズ表示が「19 x 89 x 1820mm 」となっています。
正しくは、「38x 89 x 1820mm 」と思われますので、確認後、修正して頂ければと幸いです。
よろしくお願い致します。
井上@caDIY3Dスタッフ · 2017年9月27日 9:30 AM
ご指摘ありがとうございます。サイズの表記を修正させて頂きました。よろしくお願い致します。