さらなる加工精度を求めるためには
DIYにどっぷりはまると、より高い精度を求めたくなるものですよね。
特に基本の加工である穴あけなどは、ハンドツールでまっすぐ垂直に穴を開けるのは至難の業。一つ一つの穴開けに神経を集中して、慎重に作業をすればそこそこの精度で穴を開けることも出来ますが、沢山の穴を精度良く開けるのは難しい。
そんな時には据え置きの工作機械、ボール盤が全て解決!いとも簡単に垂直に穴を開けることが出来ます。
今回からは、さらなる加工精度を求めて据え置きの工作機械を紹介!
卓上ボール盤とは
卓上ボール盤とは、簡単に言うと、据え置き型の電動ドリルです。さまざまなドリルビットを交換することで、金属から木材、プラスチックなどに至るまで、いろいろな物に穴を開けることが出来ます。最大の特徴は、ドリルが垂直に上下すること。これにより精度良く垂直な穴を開けることが出来ます。
ドリルの回転速度は上部のカバーの中にあるベルトとプーリーを掛け替えること(自転車の変速機のようなもの)で変更するのですが、比較的低回転で動作するので工作機械としては安全な部類と言えます。
卓上ボール盤大図解!
ベルトカバー
モーターの動力を主軸(ドリルチャック)に伝えるプーリーとベルトが格納されています。
プーリーとは滑車のことで、モーター側と主軸側にあり、ベルトで繋がっています。
どちらも大きさの異なるプーリーが重なっており、ベルトを掛け替えることで、回転速度を制御します。(自転車の変速機のようなもの)
電源スイッチ
電源を入れるためのスイッチです。
昇降ハンドル
主軸(ドリルチャック)を上下させるためのハンドルです。
モデルによってはこのハンドルの根元の部分に主軸の移動範囲を制限させる機構があります。
また、モデルによって、主軸の上下移動範囲が異なります。
ドリルチャック
ドリルビットをくわえる為のチャック。
テーブル
穴を開ける対象(木材など)を置くためのテーブル。
ベース
工作機械全体を支えるベースです。全体を支えるためにかなり重たくなっています。
コラム
テーブルが上下する主柱。小型の卓上ボール盤の場合、ツルっとした円柱ですが、大きめなボール盤になるとギアが付いていて、テーブルの上下移動の調整に利用されます。
テーブル上下送りハンドル
テーブルを上下に移動する際に、このハンドルを回して移動を行います。小型のボール盤だと省略されている場合があります。
(その場合は、テーブル固定用レバーを緩めて、手で上下させる必要があります)
モーター
ドリルを回転させるためのモーターです。
卓上ボール盤を組み立てる前の状態です。
ドリルチャックは電動ドライバーの先端と同じような機構で、ひねるとチャックが開閉して、ドリルをくわえ込むことが出来ます。
強力にくわえる為に、チャックハンドルという工具が付属しています。
ドリルチャックは主軸と呼ばれる場所に固定されます。
主軸はボール盤の心臓部分。モーターの回転を伝えてドリルを回転させ、かつ、上下に動きます。
卓上ボール盤を選ぶ際のポイント
ボール盤それぞれの性能もさることならが、やはり設置スペースの制限によって、ある程度の選択肢が決まってきます。
大きい物だと、床に直接設置する本格的な工業用ボール盤もあれば、ある程度の高さの机の上に置く卓上ボール盤、さらにコンパクトに持ち運び出来る程度の大きさの小型ボール盤と呼ばれるものと様々です。DIY用途であれば、卓上ボール盤か小型ボール盤になります。
ある程度の設置スペースが確保できるなら出来るだけ大きめな卓上ボール盤がオススメです。テーブルがハンドルで上下できる物が良いですね。
後は、以下の仕様もチェックしておきましょう。
チャック能力
どの程度の太さのドリルビットをくわえることが出来るか。
主軸の送り寸法
主軸の上下幅。この上下幅以上の深さの穴を開けることは出来ません。
テーブルの上下移動量
ドリルビットの長さにもよりますが、どの程度の材料まで扱えるかが決まってきます。
フトコロ寸法
主軸とコラムまでの距離です。ここが小さいと、材料の端から穴を開ける位置までの距離に影響してきます。例えば、広い板の中央付近に穴を開けたくても、フトコロが狭いと穴を開けることが出来ません。
ボール盤のテーブルを拡張しよう!
卓上ボール盤は金属加工を主目的に作られていますので、材料をのせるテーブルも小さめ。木工用途で使うには、広いテーブルの方が安定して作業出来ます。卓上ボール盤を手に入れたら、MDF板などを使ってテーブルサイズを拡張してみましょう。
テーブルを包むように木材で枠を作ります。現物あわせで、隙間なくピッタリと作ることがポイント。
拡張テーブルをはめてカスタマイズ完了。テーブル昇降用のハンドルが干渉する場合がありますので、その場合は、干渉しないように拡張テーブルを切り欠きましょう。
実際に作ったものがこちら。
こちらは木材をL字型に切り欠いて3方を囲むように取り付けてあります。
使用時の様子です。
テーブル面が広くなることで、長めの木材に穴を開ける際も安定して作業出来ます。
テーブルを拡張することでクランプなども使いやすくなりますね!
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ボール盤は使用頻度No1!是非とも導入したい【まとめ】
まっすぐに穴を開けることは木工作業では永遠のテーマ(?)。筆者が利用する工作機械でも使用頻度はNo1です。
設置スペースの問題はあるものの、是非とも導入したい工作機械のひとつですね!
まっすぐ穴を開けることで加工精度が向上し、作品の質もワンランクアップしますよ。
ボール盤は近くのホームセンターの工作室や、DIY工房などにも設置している場所があります。自宅に置くのはちょっとムリという方も、利用出来る環境が無いか探してみては如何でしょうか。
いろいろな工作機械がありますが、最初に導入するならまずはボール盤がオススメです。
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