アウトドアなDIYなら、持っておきたい
電動工具5つ目は「ディスクグラインダー」です。木工用途で使うことは少ないかもしれませんが、屋外のDIYには頼りになる工具です。コンクリートブロックを切断したり、レンガを切断したり、鉄筋を切ることも出来ます。溶接DIYなら、溶接後の仕上げ研磨にも利用出来ますね。その他にもたくさんの砥石(ディスク)があって、意外と万能な工具です。
今回は「ディスクグラインダー」について。
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ディスクグラインダー大図解!
スピンドルロックボタン
砥石を交換する際に、砥石の回転をロックする為のボタン。
このボタンを押しながら、固定ナットを回して、固定、取り外しを行います。
本体
最近のディスクグラインダーは細身の本体で握りやすく設計されています。
メインスイッチ
動作のON/OFFを切り替えるスイッチです。かならずOFF側に倒れていることを確認して電源プラグを入れましょう。スイッチの形式はモデルによって異なります。
サイドハンドル取り付け穴
ホールドを安定させるサイドハンドルを取り付けるためのねじ穴です。左右にあります。
切削砥石
砥石と呼ばれるディスクで、さまざまな種類があります。
切断用と以外にも研磨用途のディスクがあります。通常との砥石と、オフセット砥石という2種類の砥石があります。
固定ナット
砥石を固定するナットです。
保護カバー
砥石から体を保護する為の安全カバーです。切断砥石用とオフセット(研削)砥石用があります。
写真の安全カバーはオフセット(研削)砥石用になります。(付いている砥石は切断砥石ですが…。)
フランジ
砥石の裏側にはフランジと呼ばれる金具があり、フランジと固定ナットで砥石を挟む形になります。
ピンスパナ
砥石を固定する固定ナットはピンスパナという専用の工具で回します。
(ディスクグラインダーに付属しています。)
ディスクグラインダーの使い方
丸のこと同様、刃物がむき出しのディスクグラインダーは非常に危険な電動工具です。細心の注意を払って扱いましょう。
安全防具を身につける
ディスクグラインダーを使用する場面といえば、コンクリートや鉄筋の切断など、木材と比較すると堅い材料を相手にすることになります。破片や火花が飛んでくることもあるので、防具を身につけましょう。また砥石に衝撃が加わると砥石自体が破損して飛散する可能性もあります。
革手袋を着用しましょう。鉄筋などを切断すると、火花が飛んできます。コンクリートの場合でも、細かな切削片が飛んでくることがあります。軍手などの手袋は巻き込みの危険があるので、使用しないようにしましょう。
防塵用メガネも必須です。鉄筋などを切断する際に発生する火花は非常に細かく鋭利な鉄片で、万が一目に入った場合、眼科で取ってもらうしかありません。(間違ってもこすってはいけません。)
その他にもマスク、耳栓などシチュエーションに合わせて装備して作業に望みましょう。
作業開始前の確認
砥石には使用時の最大使用周速度とか最高回転速度という数値が記載してありますので、利用するディスクグラインダーの性能にマッチしているか確認してから使用しましょう。
1.周速度と回転数の関係
周速度:外周上の1点が進む速さ(単位:m/s、m/min)
回転数:外周上の1点が1分間に回転する回数(単位:min-1)
4,300m/minの周速度を回転数に直すと以下のような式になります。
回転数(min-1) | = (周速度 ÷ 砥石の外周(mm))× 1,000 |
= (4,300m ÷ (3.14×100(砥石の外径))) ×1,000 | |
≑ 1万4千回転 |
作業開始前には外観をよく確認して、試運転を行います。
2.【外観の確認】
- ひび、欠け、傷が無いか。
- フランジとディスクの間に異物が挟まっていないか。
- ディスク自体が歪んでいないか(切断砥石)
3.【試運転】
- スイッチを入れる前に、万が一砥石が破損して飛散しても、安全であるか確認する。
- 新品の砥石の場合、3分間空転させる。
- 試運転して、問題無ければ、試し切断、切削などを行い、問題無いか確認する。
- 一度使った砥石でも、安全確認の為、1分間空転させる。
作業時の注意
切断時には、材料をバイス(万力)などで固定します。グラインダーの本体をしっかりと握って、材料に垂直に砥石を当てます。回転した刃を当てるため前後にぶれやすいので、本体を握っている手の一部を動かない場所に当てておくと安定します。無理に押し付けず、グラインダーの重さで切る意識で十分です。金属の切断の場合、切断直後は摩擦で非常に熱くなっているので注意!火花が出ますので周囲に燃えやすいものが無いことを確認しましょう。
研削時の砥石の角度は15度から30度の間でコントロールします。角度をつけすぎると研削が進みすぎて砥石が食い込み、跳ね返ってくる危険性があります。砥石は奥に着地して手前に引く感じで研削します。
切断砥石とオフセット(研削)砥石
ディスクグラインダーの砥石は、主に切断用砥石とオフセット(研削)砥石の二つに分かれます。切断用砥石はコンクリートブロックや鉄筋を切断するための砥石で砥石自体が平らな形状をしています。ディスクの円周部分を利用して切断を行います。オフセット(研削)砥石は、主に塗装を剥がしたり、材料の表面を磨いたりする目的で使用されます。オフセット砥石ではディスクの側面を利用します。円周部分で切断などを行ってはいけません。オフセット型の切断砥石もありますので、用途をよく確認して使用しましょう。
切断用途
切断用砥石は主に平らな円盤状です。円周部分を使って切断を行います。
ダイヤモンドカッター セグメントタイプ
モルタル、コンクリート、レンガ、タイル、スレート等の溝入れなど。セグメントタイプはスリットが入っていて、スピーディーな切断が特徴。切断面は荒い。
ダイヤモンドカッター ウェーブタイプ
陶磁器タイル・カワラ・レンガ・コンクリート・ブロック用。ウェーブタイプは切断速度が遅いが、切断面がキレイ。
タイルなどのカットに向いている。
研磨用途
オフセット砥石は中央が膨らんだ形状になります。膨らんでいる方を本体側に向けて取り付けます。
オフセット型 フレキシブル砥石(研磨用)
一般鋼や鋳鉄の研磨作業。柔軟性があり、曲面の研磨に対応。
多羽根ディスク(研磨用)
一般金属の研磨や木工の研磨に利用できます。金属のバリ取り、サビ取りのほか、溶接後のビート取りなど。
布やすりが扇状に重ねて取り付けられており、放熱性に優れる。布やすりなので番手(粒度)があります。用途に合わせて利用できます。
ナイロンディスク
材質は極太のナイロン繊維に砥粒をコーティングしたもの。柔らかく柔軟性があるので局面の研磨に向いています。
塗装はがしやサビ取りなどに利用できます。こちらも番手(粒度)があるので、用途に合わせて利用できます。
フェルトディスク
金属・ステンレス・石材・ガラスのツヤ出し・鏡面仕上げに利用されます。
材質はフェルトで柔らかく、局面にフィットします。
ディスクグラインダーでレンガをカット
ディスクグラインダーの使用例をひとつ紹介します。
ディスクグラインダーを使ってレンガをカットする方法です。レンガでエクステリアを作成する際に、ハンマス(基本のレンガを半分にしたもの)が必要になったり、レンガの角を落としたりする加工が必要になってくる場合があります。
そんな時にはディスクグラインダーとダイヤモンドカッターの組み合わせで加工するとキレイに加工できます。
レンガの具体的なカットの仕方はこちらをご覧ください!
加工をする前にしっかりシミュレーション!
紙の図面や頭の中だけでの設計だと、なかなか扉の干渉を把握するのは難しい…。
そんな時におすすめしたいシミュレーションにうってつけのアプリ『caDIY3D-X(キャディースリーディークロス)』はご存じでしょうか?
caDIY3D-X(キャディースリーディークロス)は、誰でもカンタンに設計図が描けるDIY・リノベ専用のWindowsアプリです。
3Dの木材や資材を、まるで積み木のようにマウスで直感的に組み上げて、オリジナルの家具デザインやレイアウト・シミュレーションを楽しめます。実際のDIY制作にはかかせない、木材の切り分け方や細かなサイズ・寸法チェック、予算の計算なども徹底ガイド。「手描きの設計図なんて無理!」とあきらめていたあなたのDIYライフを変える、まさにDIY・リノベ好きのためのお役立ちツールです。
便利と危険は隣り合わせ【まとめ】
いろいろな砥石を付け替えることで様々な加工ができるディスクグラインダー。割とリーズナブルな価格帯で入手できる電動工具なので、屋外でのDIYを行う際には用意したい工具ですね。コンクリートやレンガも豆腐のように切ることが出来て便利な道具ではありますが、体にちょっとでも触れるだけで大きな怪我につながります。せっかくの楽しいDIYで大怪我しては大変です。安全対策を十分に行って、快適なDIYを楽しんでください。
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