手軽に入手できるコンクリートブロック
日本全国、どのホームセンターでも必ず置いてあるコンクリートブロック。
価格も一個200円程度とかなりお手頃価格なのですが、いざ積んでみようと思うと、どうやっていいのかよく判らない。ブロックを置く前に基礎はどうするの?鉄筋はどこにどれくらいの間隔で入れるの?
わからないことだらけですが、使い方さえわかればエクステリアの素材としては魅力的ですね。ねずみ色のコンクリートはどうも暗くなりがち。っと感じる方もいるかもしれませんが、今はブロックを化粧するための塗料やアイテムも沢山あります。
今回は小規模なコンクリートブロックの積み方について。
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DIYで敷地境界線や門柱などのブロック積みは要検討!
ブロック塀というと真っ先に思い浮かぶのが隣家との境界線や、道に面したブロック塀ですね。
こういったブロック塀は耐震性などを考えるとかなりしっかりとした基礎を作らないといけませんし、仕様も決まっています。
掛かる労力などを考えると、DIYで行うのは割にあいません。素直に業者に依頼した方が良いと思います。ここでは庭の構造物(間仕切り的な塀や、シンクの土台などを)をあくまでDIYで作ってみたい!というニーズを想定して紹介したいと思います。
基礎はウェットモルタル工法
ブロックを積み始める前にウェットモルタル工法という技法を用いてブロックの基礎を作ります。
穴を掘って砕石を敷いた後、型を作ってモルタルを敷いていきます。水盛り・遣り方できちんと直線・水平を出しておくと、正確なブロック積みが出来ます。
1.基礎の溝を掘る。
基礎の溝をスコップで掘ります。深さ15cm程度、幅はコンクリートブロックの幅+10cm程度です。
溝を掘ったら砕石を均等に敷き詰めます。この時同じサイズの砕石を入れるだけでも良いのですが、砕石を入れた後さらに細かい砕石を入れるとより強固な地盤を作ることが出来るのでおすすめです。
次に砕石を入れた溝を突き固めます。突き固めは本来タンパー(転圧機)を使用しますが、持ってない方が多いと思います。なので代わりに人間の足で踏み固める、もしくは、角材の木口で突き固めましょう。
もし端材などが余っていれば自作の土木用タコを作ってみてもいいですね。SPF1×2材とSPF4×4材で簡単に作れて、持ち手がある分楽に突き固めが行えます。
2.型枠を並べてモルタルを詰める。
砕石の上に合板などで型枠を作成します。型枠の幅はブロックの幅+6~7cm程度。
型枠を並べたら、型枠の中にモルタルを厚さ7cm程度を目安に敷き詰めます。このとき、モルタルの上面が水平になるように水盛り・遣り方を使用して念入りに調整します。
鉄筋はどこにどれくらい?
鉄筋はD10(太さ10mm)またはD13(太さ13mm)を使用します。
基本は、縦筋の間隔80cm、横筋はコンクリートブロック2段毎です。
縦筋は、ブロック塀の端の部分とブロックとブロックの継ぎ目(境)の位置に配置します。
4段4列のコンクリートブロック塀の場合
作った基礎のモルタルが固まる前に鉄筋を差し込みます。4段4列のブロック塀の場合、両端に1本ずつ。真ん中の継ぎ目部分に1本の計3本の鉄筋を差し込みます。すぐにブロックを積み始めたいところですが、モルタルが完全に固まるまで待ちましょう。
1段目を並べた様子です。ブロックの目地(隙間)は10mmにします。
乾いた基礎のモルタルの上に、練ったモルタルを2列に並べて、その上にブロックを並べて行きます。
ブロック同士がまっすぐ水平になっているか確認しながら並べて行きます。
1段目のブロックのみ、全ての穴にモルタルを詰めていきます。
1段目が積み終わり、モルタルが硬化した頃合いを見計らって2段目を積みます。硬化前に2段目を積むと、横の目地が潰れてしまいます。2段目は横筋用のコンクリートブロックを積みます。横の目地も10mmが目安です。
2段目が積み終えたら横筋用ブロックの溝に横筋を入れます。横筋は縦筋と結束線と呼ばれる針金で結びつけます。結束するにはハッカーという専用の工具がありますが、DIYで施工するならラジオペンチで代用できます。
2段目以降は縦筋が入っている穴だけモルタルを詰めていきます。
3段目、4段目を積んで、4段目にも横筋を入れたら、溝をモルタルで埋めます。
最上段はモルタルを1cm程の厚さで化粧をするか、笠木と呼ばれるブロックで蓋をする形になります。
庭造りの設計、頭の中の設計図だけで大丈夫?
数百円で売っているコンクリートブロックですが、いざしっかりとした構造物を作ろうと思うと、結構考慮する事柄が多いですね。形も全国共通なのでイメージはしやすいのですが、作業に取り掛かる前に設計、シミュレーションをしておくと安心です。
そんな時におすすめしたいアプリ『caDIY3D-X(キャディースリーディークロス)』はご存じでしょうか?
caDIY3D-X(キャディースリーディークロス)は、誰でもカンタンに設計図が描けるDIY・リノベ専用のWindowsアプリです。
3Dの木材や資材を、まるで積み木のようにマウスで直感的に組み上げて、オリジナルの家具デザインやレイアウト・シミュレーションを楽しめます。実際のDIY制作にはかかせない、木材の切り分け方や細かなサイズ・寸法チェック、予算の計算なども徹底ガイド。「手描きの設計図なんて無理!」とあきらめていたあなたのDIYライフを変える、まさにDIY・リノベ好きのためのお役立ちツールです。
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十分な計画と万全の準備で臨みましょう!【まとめ】
今回はコンクリートブロックの積み方について紹介しました。普段何気なく目にするコンクリート塀ですが、いざ作るとなるといろいろと考慮しないといけません。そういう知識を持ってから、キレイに積まれている塀を見ると感心してしまいます。物置などの布基礎(壁の下に基礎があるものを布基礎と呼びます)などにも応用出来ますね。
風雨にも耐え、丈夫な塀として重宝しますが、倒れると大変危険。大きな塀を作る場合は、今回のような簡易な基礎ではなく、もっと深くて(400mmは必要)幅の広い基礎になります。基礎自体にも鉄筋が入ります。
鉄筋はホームセンターでカットしたり、曲げることが出来ます。事前に準備しましょう。
十分に計画を立て、万全の体制でチャレンジして下さいね!
今回の記事を書くにあたり、横筋用コンクリートブロックを作成しました。パーツモデルとしてダウンロード出来ます。(パーツモデルのインポートはcaDIY3D+以降の機能です)
【追記】オフィシャルFacebookで有益なコメントを頂きましたのでご紹介!
大きいモノを作るならやり方出しましょう。三段くらいなら、要らないかな。
基礎モルタル、鉄筋入れるなら砂利を入れて深さ10cm以上が良いかと。縦鉄筋穴をモルタルで埋める時は、縦ふり(垂直)を常に確認しながら埋めましょう。段数を増やすにつれ、ズレてくるので。
また、鉄筋を小刻みに叩くと、バイブレータ効果で隅々まで入ります。その際外側のメジに板を当てるとモルタルが漏れないので良いかと。一段目は、基礎が乾かないうちに乗せても問題ありません。二段目からは、1〜2時間後から。
長い真っ直ぐな棒に、ブロックとメジの目印を付けたものを、定規がわりに作っておき。(長ければ長いほど良い)
一段目の間隔の目安にしましょう。一段目が重要なので。ここを手抜きしないように。水平垂直は完璧に見ましょう。職人さんでも、午前中4〜5段。一日、8〜10段施工するのが限界です。乾かないと倒れるため。
花壇など、土を入れたり、力が掛かるようにするなら、2〜3日後から作業しましょう。
一辺が数枚並び。長くなるなら。施工ブロックの端と端を最初に置き。片側の上面、角に。糸を張るのも手です。高さと直線が見れる。
結び目等で、ブロックから糸一本分離して置くのがキモです。
上面をモルタルで埋める時は、少し高めに置き。乾きかけの時に木鏝で慣らします。仕上げは焦らず。乾きかけを何回も撫でる事。
1件のコメント
匿名 · 2023年5月4日 10:10 AM
個人で、庭の法面に用壁立て、花壇・畑を作りたいと思ってます。大変勉強になりました。